2016年10月28日金曜日

MFクラウド(マネーフォワード社)に乗り替えました

昨年から、私の個人会社の会計ソフトは、某F社のものを使っており、預金やカードの自動読み取り機能を中心として、これはこれで大変に使い勝手が良いと感じておりました。
当面はF社のもので大丈夫だろうと思っていたのですが、知人から、もっと会計人に適したクラウド会計ソフトがあるという話しを伺って、最近TVコマーシャルもやっている(らしい)、マネーフォワード社のMFクラウドを試してみました。

クラウドの会計ソフトは2つ目だからか、割と簡単に登録、導入はできました。導入から、仕訳処理に至る一連の流れは、本質的には、F社のものとさほど変わりはないようです。

ただ、F社がキャッシュフロー中心で、家計簿感覚で簿記を知らなくても処理できるイメージなのですが、MFクラウドは、良くも悪くも、より「会計ソフト」っぽく、長年、複式簿記の世界で育った私のとしては、より馴染みやすい印象でした。

また、クラウド会計ソフトは、一処理ごとや、画面の切り替えなどのネット接続の際の微妙なタイムラグもあるものですが、MFクラウドのほうが、シンプルな設計のためか、0.01秒程度はスムーズな印象でもあります。(注:私の全くの感覚値です)
加えて、補助科目の設定など、細部の使い勝手についても、MFクラウドの方がよい印象です。

F社のものは、見た目はユーザーフレンドリーな設計で、決して悪くはないのですが、長く使っていると、「ざっくりと粗い」部分も目立ち、会計ソフトに求められる無機質感も乏しいため、やはり総合的に見るとMFクラウドに軍配が上がるという印象です。

ということで、しばらくはMFクラウドとお付き合いしてみようと思います。

<続く>

2016年10月21日金曜日

東洋製罐グループホールディングス

すっかりと更新を失念しておりました。

プライベートでは、子供が幼稚園に通うようになったことや、それに合わせて自宅を引っ越そうと考えたり、事務所もビル側の事情もあって移転をするなどと、公私とも、相当にバタバタとしておりました。ただ、人生はいつまで経っても落ち着くものではないため、「少し落ち着いたら考えよう」という発想は捨てて、今日からは「走りながら考える」ということに改めたいと思います。

さて本題ですが、独立して会計士や税理士をやっていると、社外役員のお声がかかることが多く、すでに数社の社外役員には就任しておりました。社外役員のニーズとしては、対象会社からは独立した存在で、かつ、経営や財務、法務などの知見があり、性格的にも安定感のある人物。自分がそれにふさわしいかどうかは別として、たしかにそのようなポストには、法律や会計の専門職が向いていることも理解できます。

今回は、とある高名な弁護士の方のご紹介もあって、今年6月の株主総会で、東洋製罐グループホールディングス株式会社の社外監査役に就任いたしました。
東洋製罐グループは、創業が1917年で飲料缶などを中心とした包装容器の国内最大手、連結売上高は8千億円でグループ会社は国内外に100社程度。名実共の大企業です。
まだ就任間もないのですが、取締役会の運営も相当にハイレベルな印象で、議論に付いていけるよう、しっかりと準備をして臨みたいと考えています。

ちなみに、東洋製罐の歴史の中では、今から40年以上も前に独占禁止法に抵触してしまうような、不名誉な事件があったようです。独占禁止法の所轄官庁は、私の父が役人だった時代に勤務していた公正取引委員会。(間接的ですが)親子で同じ会社に関われるというのは、何かのご縁のようにも感じます。包装容器業界の発展に少しでもお役に立てるよう、しっかりと務めたいと思います。



2015年6月5日金曜日

クラウド会計ソフト「freee」を使ってみました

会計業界に入って、かれこれ20年。この間、実は、お客様の会計ソフトの中を覗くことはあっても、会計ソフトへの入力処理を自分で手を動かしてやること(いわゆる経理実務)はほとんどないまま過ごしてきました。
最近、私個人が持っている会社の経理を任せていた社内担当者が、事情があって休んでいることもあり、ここは思い切って自分でやってみることにしました。
とはいえ、伝統的な弥生会計をインストールして経理処理するのも気が重い。せっかくの機会でもあり、最近話題のクラウド会計ソフト「freee」を使ってみることにしました。

freeeのホームページを覗いてみると、全自動のクラウド会計・・とあるが、この「全自動」ってなんだろう?
まず、ネットバンクや、カード会社と連携をしていて、IDやpasswordを入れる。すると、預金への入出金や、カードで使った経費の情報がまさに「自動的に」会計ソフトに読み取られ、会計処理がされていくというような仕組みになっていました。

さっそくトライをしてみると、例えば、支払先がNTTであれば通信費として認識をしたり、カード会社の年間費は支払手数料として認識したりという「予測による会計処理」がベースにはなっています。別途、学習機能も付いているため、少しずつ学ばせていくと、予測の精度が高まっていくような設定になっていました。
もちろん、現時点だと完全な自動処理にはほど遠い状況です。ただし、少なくとも入出金などの事実関係(日時、相手先、金額)などは正確に反映されているようですし、あとは取引の実態を思い出しながら、多少の修正をしていけば良いわけなので、経理にかかる手間が大きく削減できる印象です。

途中、少々複雑な会計処理をする場面において、思わず「税理士さんに相談する」というところをクリックしそうになりましたが、心を入れ替えて、後日調査するということで、無事乗り切りました(笑)。
また、チャットで相談できる仕組みもあって、ソフトの使い方について質問をすると、1分以内で的確な回答がありました。
さらに、(試しに)消費税処理にかかるちょっと高度な質問をしてみると、これにも即答。これは驚きました。

実際に3日ほどfreeeを使って会計データと格闘してみましたが、いくつか感じることがありました。

・ 銀行やカード会社との連携システムは、かなり便利なものである。預金通帳やカード明細の入力などの単純作業が不要になるのはメリットが大きい。経理担当者は、「経理判断」というより付加価値の高い作業だけを行えば良くなるため、精神衛生上も好ましい。
・ 会計データがインターネット上にあるメリットは大きい。それこそ自宅からアクセスをして、月次決算を眺めながら物思いにふける(?)ことも可能だ。

一方で、
・ とはいえ、情報の安全性は確保できているだろうか?ベンチャー企業が運営しているようだが、潰れたりしないのか?複雑な仕訳処理に対応できているのか? 
・ また、ある程度の精度までは経理処理できるし、サポートのレベルは高いにしても決算まで仕上げるのは、やはり壁が高い。それなりの専門家との連携は必須だ。
・ 規模的には、どの程度まで対応できるのだろう?非常に便利なソフトだけに会社の成長に合わせて使えなくなってしまうのは、勿体無い印象だ。

という不安も残りました。
とはいえ、全体としてはかなりの好印象。しばらく使っていこうと思います。

<続く>


2014年3月24日月曜日

「経営者保証ガイドライン」により個人保証は外れるのか

中小企業の銀行借入においては、ほとんどのケースで経営者の個人保証が求められています。つまり、企業の事業展開のための資金調達にも関わらず、経営者個人(場合により、その家族など)までが、返済の責任を負うのが原則なのです。
これには、金融機関からみた信用補完となることにより資金調達が円滑化するというプラス面はあるものの、経営が窮地に陥った場合には経営者個人の生活も破綻するリスクがあるため、結果的に思い切った事業展開が阻害されてしまうというマイナス面もあり、大きな社会問題となっていました。これを受けて中小企業団体や金融関係者が中心となって、「経営者保証に関するガイドライン」が策定され、昨年12月に公表されました。
主な内容としては、
1  「健全な経営が行われている」場合においては、経営者の個人保証を求めないこと
2    多額の個人保証を行ったとしても、保証債務履行後も華美でない自宅には住み続けられること
3    保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
といった、従来の実務では明確ではなかった「頑張る経営者を応援する対策」が盛り込まれています。

1の「健全な経営」の具体的な要件としては、
①返済手段としてのキャッシュフローが十分に見込める
②財務状況を適時・適切に債権者に伝える
③経営者と会社(債権者)が利益が相反する取引(役員報酬や配当方針の設定、貸付行為など)については、十分に留意して決定する
④上記のプロセスにおいては、会計士や税理士など外部の専門家が検証する
といった内容で、まさにベンチャー企業が上場に向けて準備をするプロセスと全く同じです。上場企業レベルまではいかなくても、「上場に準ずる体制が中小企業で構築できる」とのであれば個人保証は無くても銀行取引は可能となるのです。

また、2と3は、今までの実務で、経営者の再出発を阻害していた点です。これは
①会社及び経営者が弁済について誠実であり、債権者の求めに応じて各々の財産状況を適時適切に開示すること
②会社が民事再生などの法的整理手続き(及び、法的整理に準ずる私的整理手続き)を実施し、債権者にとっては、破産よりも合理性があること
などが、主な要件とされています。つまり、「事業の再生と債権者の利益を重視して早めに対策を取る」限りにおいては、今まで債務保証の弊害とされてきたようなリスク要因もほぼ回避できるように思われます。

総じていえば、「誠実に、かつ合理的に行動すれば、個人保証の不合理な結果は避けられる」ということで、内容的には目新しいものでもないようにも思いますが、ガイドラインとして公表された意義は十分にあると思います。
弊社においても積極的にサポートして参りますので、お気軽に御相談ください。

*なお、上記の動きにも関連しますが、日本の民法では「連帯保証人制度」も伝統的に存続しており、金融機関も会社代表社の妻や、友人に連帯保証を求めるケースも過去には有りました。そして、個人破産の約25%は連帯保証をしてしまったための「他人の借金」による破産と言われています。このような不合理をなくすために、民法自体の改正も検討されています。(2013年2月民法の改正に関する中間試案) 

2014年3月7日金曜日

キャス・キャピタル・ファンド6号の設立について

このたび、弊社で全面的にサポートさせて頂いている日系の独立系投資会社である、キャス・キャピタル株式会社において、新たな投資ファンドの設立を行いました。先月の2月末で一次募集を締め切って、今は二次募集に向けて、国内投資家を対象とした追加募集を続けている状況です。
2005年に第1号案件をお手伝いさせていただいて以来のお付き合いになりますが、ファンドの数では6本目となって、数多くの投資ファンドが設立されては廃業に至っている現状から見ると、リーマンショックを乗り越えて堅実に運営されている実績は特筆に値するものと思っています。

投資ファンドといっても、下記のようにさまざまな種類がありますが、キャス・キャピタルの行っているファンドは、以下の分類での「バイアウトファンド」になります。
・上場株式が対象
 1 投資信託
 2 ヘッジファンド
 3 アクティビスト
・主に非上場株式が対象 (これらをプライベート・エクイティ・ファンドとも言います)
 4 ベンチャーファンド
 5 バイアウトファンド
 6 企業再生ファンド

バイアウトファンドというのは、同じ未上場株式を対象とするベンチャーファンドや再生ファンドに比べると、少々分かりづらいですが、「成熟企業の経営課題を解決するためのファンド」という言い方が、適切であるように思います。
どんな企業でも、成長する過程において、必ず、成長の壁に突き当たります。その壁が、経営者の高齢化であったり、後継者の不在、株主の分散、資金力不足、海外展開力不足など、課題の種類はさまざまですが、投資ファンドは、資金(買取資金、成長資金)、人材、ネットワークを提供することを通じて、その壁を乗り越える力を与えるのです。

もちろん、会社がより成長するためのプロセスですから奇麗ごとだけではありませんが、経営環境が変わることによって、自浄プロセスが作用して、「人が成長し、事業も成長する」という実例を多く見てきました。
日本では、投資ファンドというと、センセーショナルな話題を提供した村上ファンドや、スティールパートナーズがあったため(彼らは、上記分類だと「アクティビスト」という分類になろうかと思います)、必ずしも良いイメージばかりでは無いと思いますが、キャス・キャピタルのように「愚直に企業を強くしようという健全なファンド」は現に存在するのです。特にキャス・キャピタルは、優れた経営人材をチームで常駐派遣することに特色があり、海外進出支援や事業承継に力を入れて活動しています。

ところで、弊社の主な業務は、税務・会計業務になる訳ですが、意外と、投資ファンドの業務とは密接な関わりがあるのです。
例えば、投資を行う対象の企業の財務調査や、企業価値の評価、投資方法の選択、投資家への会計報告、そして経営者自身のタックスプランニングなど、一連の業務は、税務や財務の経験や知識が十分に活かせる分野なのです。
ご質問、ご相談などがあれば、弊社までお気軽にお問い合わせください。

(注:上記内容は、キャス・キャピタル株式会社又はその子会社が無限責任組合員を務めるファンドへの投資を勧誘することを目的としたものではありません。)


2013年10月25日金曜日

新・投資減税の導入に向けて

来期の税制改正に向けて、10月1日に「民間投資活性化等のための税制改正大綱」が与党案として公表されました。
通常、税制改正大綱は年末の恒例行事だったところ、前倒しで公表してくるところにも安倍総理の「日本再興戦略(6月14日閣議決定)」で打ち出した経済政策への並々ならぬ意欲が感じられます。

今回、創設が検討されているのは、以下の3つです。

1 生産性向上を促す設備投資促進税制
2 企業のベンチャー投資促進税制
3 事業再編を促進する税制 

1は元々ある既存の制度(老朽化した生産設備から生産性、エネルギー効率の高い最先端設備への入れ替え等を税制優遇する仕組み)をさらに効果の高いものとしようという変更です。
通常、この手の税制は「製造業」における「物的設備への投資」が対象になるイメージですが、今回は、中小企業における「ソフトウェア投資」も税制優遇の対象に含まれる可能性が高まっています。今回の制度では、減税を受けられる企業、ケースが格段に増すことになりそうですので、注目してもよいでしょう。

2はベンチャー企業に対して投資を行った「投資家の企業向け」の税制優遇が検討されており、具体的には、投資額の一定割合(例えば、80%など)が、税務上の費用として一括で処理されるイメージです。
通常、ベンチャーなどへの投資については、成功か失敗かの結果が出るまでは税務上の利益にも費用にもならないというのが原則ですが、今回の改正は、費用化についてのみ先取りが出来る、いわば「税金対策としてのベンチャー投資」を促す効果が期待できるかもしれません。

3は2のベンチャー投資の変形版のようです。例えば、同業者間で合弁事業を作るスキームにおいて、出資が融資が必要となる場合、2と同様の税制優遇を与えようというイメージのようです。ただし、ベンチャー投資に比べると、投資リスクは低いことが多いため、税務上の費用として処理される額(割合)が2よりは低くなる(70%以内)模様です。

いずれにしても、「企業の前向きのアクションについては、思い切った税制優遇を与える」。これが日本再興戦略のメッセージであり、今回の税制改正のテーマにもなりそうです。 

2013年7月31日水曜日

未上場企業の株式買い戻しにおける4つのポイント


未上場の企業において、資金上や、ビジネス上の必要性から、経営陣や、外部(VC、取引先)に株式をもっていただくことはよくあります。
また、会社が成長・成熟するプロセスにおいて、それらの株主との関係を軌道修正し、株式の買い戻しを行うニーズが出てくることも、ごくごく一般的であります。
未上場企業における少数株主のエグジット方法としては、①会社の買戻し、②経営者の買戻し、③第三者の買戻し、の3パターンしかないかと思いますが、いずれにおいても、(スキームによってテンションは違いますが)、以下の4つのポイントを意識する必要があると思います。

1 買取り株価は合理性があるか

未上場企業株式の買い取り価格については、基本的には「売り手と買い手の交渉に基づく合意事項」ではあるものの、一つ一つの取引価格の設定について、(当然といえば当然ですが)きちんと設定根拠があることが必要になります。
望ましくは、株価の設定について何らかのストーリーになっていて、「●年はこういう状況だったので一株あたり●円で、●年になるとこういうイベントがあって、段階的に一株あたり●→●円と上がっていった」など、後々に簡単に説明できる状態がベストです。
実務で困ってしまうのは、交渉ごとであるがゆえに、「感情」が介入してしまい、合理性から外れたような価格設定を行ってしまうケースです。
こうなると、他の株主に対してや、上場審査の時に説明に窮してしまうことも多く、また、税務上も余計な心配をする必要がでてくることになります。

2 配当可能財源はあるか

会社法上、自己株式取得の際には配当可能限度額の範囲内で行う必要があります。配当可能限度額とは、ざっくりといえば決算書上の利益剰余金ですが、資産の内容によって多少の調整を行います。(営業権や自己株式、繰延資産など、換金性の乏しい資産について減額していくイメージです)
スキーム①「会社の買戻し」においては自己株式の取得として、財源規制はきちんと意識されているものの、スキーム②「経営者の買戻し」や③「第三者の買戻し」においても、同じく財源規制を受けるケースがあります。それは、「買い取りのための資金を会社が拠出しているケース」です。
つまり、会社が、会社の代表者やグループ会社に資金を貸付けて買い戻しを行うケースなどにおいては、直接的には自己株式取得にはならないものの、間接的な取得として、同様に財源規制を受けることになります。一部には、「配当可能利益が無いため、資金を代表者に貸付けて株式を買い戻す」というスキームが安易に行われているようですが、会社法違反となる可能性もありますので、十分に注意が必要です。

3 他の株主の売却請求権(TagAlong条項)はあるか

特定の株主(A社)が自己株式取得というスキームで会社に株式を譲渡するケースでは、会社法上、他の株主にも同様に売却請求権が認められます。
具体的には、株主A社からの自己株式取得の取得の株主総会において、A社以外の他の株主も、「自分も売却候補として議案を修正してくれ」というような要請が出来ることになっているのです。
これによって、A社の一般株主にも換金が困難な株式の売却の機会が得られ、また、経営陣がグリーンメイラー的な株主(敵対的な株主)から不当に高く株式を買い取ることを防止する効果があると言われています。
従って、特定株主からの自己株式買取価格が非常に高いケースや、既存株主とのコミュニケーションが十分ではないケースなどにおいては、この売却請求権を公使されるリスクがあることを十分に念頭に置く必要があります。
なお、この売却請求権は、なにも自己株式買取のケースだけでなく、例えば、ベンチャーキャピタル(VC)の投資契約において、経営陣や特定の大口株主が外部に売却するケースにおいて規定されることも考えられますので、念のための注意が必要です。

4 税務上の不利な取り扱いにならないか

ここが意外と見落としているケースが多いようですが、スキーム①「会社の買戻し」においては、税務上、「みなし配当」が認識される可能性があります。
みなし配当とは、本来の株式配当とは形式上は異なりますが、配当と類似する行為のため、「税務処理上は、配当として認識しよう」というもので、結果的には法人株主には有利な取り扱いとなるケースが多いですが、個人株主には逆に不利な取り扱いになるケースが多いという、「少々ややこしい話」なのです。
例えば、少数出資していた会社の1株あたりの資本が5万円(=株主の取得価格と仮定)の会社の株式を15万円で買い戻した場合、
  [法人株主] 10万円の配当 → 受取配当金の益金不算入として半分は課税無し → 10万円×0.5×40%(税率)=税額2万円
  [個人株主] 10万円の配当 → 給与等と合算して総合課税 → 10万円×(1-10%)一部配当控除×50%(最高税率と仮定)=税額4.5万円
となって、法人株主は有利だけど、個人株主には不利となることが多いのです。
これに対して、スキーム②「経営者の買戻し」、③「第三者の買戻し」の場合は、
  [法人株主] 10万円の株式譲渡益 → 10万円×40%(税率)=税額4万円
  [個人株主] 10万円の株式譲渡益 → 10万円×20%(税率)=税額2万円
となって、有利不利の扱いが、①「会社の買戻し」とは全く逆転してしまうケースも多いのです。
従って、株式の買戻し交渉を誠実に進めるためには、上記のような「株主サイドの」税務上の損得計算も行った上で、検討されることをお薦めします。